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3月11日からのこと

まだ一週間だなんて信じられないくらい、
長い長い時間が経ったような気がする。

私も、家族も無事です。
水道とガスが不通で、物資やガソリンが足りないようですが、
仙台では両親が助け合ってどうにか生活しているようです。
もっと深刻な被害に見舞われた方が大勢いらっしゃる中、
山の方にある私の実家の被害は、少ない方でした。

長くなりますが、あの日からのことを書きます。

■3月11日(金)
地震が起きたとき、私は永田町で仕事をしていました。
炎上している仕事がひとつあって前日は電車で帰れず、
少し寝不足でしたが、今日を乗り切れば明日は大好きな撮影の仕事。
いつもの金曜日でした。

突然、揺れが始まり、収まる気配もなく次第に強くなっていきました。
会社は22階にあり、東京は震度5だったみたいですがとんでもなく揺れました。
サーバールームから警報が鳴り、本棚から本が飛び出し、
机の引き出しが勝手に開いたり締まったりしました。

机の下に潜りつつ、数日前に実家の方でやや大きな地震があったのを
思い出し、いやな胸騒ぎがしました。

少し揺れが収まったときに誰かが「宮城で震度7だって」と言い、
一気に血の気がひく思いでした。

すぐに仙台の母の携帯、実家の固定電話に電話をしたけれど、繋がらない。
しっかりしろ、と思い頭は冷静でしたが、足の震えが止まらない。
事務所を出るとエレベーターが停止していて、非階段をぐるぐる駆け降りて一階へ。

電話はつながらなかったけれど、数分後に「大丈夫」と母から短いメールが
届き、足の震えが止まりました。
しかし、それっきりしばらく連絡が取れなくなるとは、
この時は思っていませんでした。

建物から全館待避となって外に出され、二時間後に事務所に戻ることを許されました。
仕事はすべて来週に持ち越し。客先に電話をかけまくって謝り、
調整を済ませて、ほぼ定時に皆で仕事を切り上げました。
しかし、電車が全く動いていない。

食欲は全くなかったけれど、ご飯を食べて2時間くらい様子を見ることに。
しかし一向に交通機関が復旧する気配がないので、
新宿の近くに家がある私は歩いて帰ることにしました。
帰宅難民になった同僚も、うちに来ることに。

道はわからなかったけれどiPhoneを頼りに、
日付が変わる頃に家にたどり着くことができました。

この間も母に連絡を取り続けたけれど、地震の直後以降は全く連絡が
取れず、歩いている途中で携帯の電池が切れました。
東京にいるはずの父の携帯も繋がらない。

不安は募るけれど、同僚を連れて無事に家に帰ることが、
今私に出来ることの全てだとあきらめました。

自宅に着いて一通りお客さんのためのあれこれをしたり、
公衆電話から翌日の仕事の調整をしたりと、結局その晩はばたばたとして
一睡もできずに朝になりました。
土日の撮影の仕事は結局すべてキャンセルになり、
お昼頃に同僚が帰ってからは気絶するように眠りにつきました。


■3月12日(土)
目が覚めると、3時間ほど眠ったようでした。
本棚の板が一枚ずれていたり、飾り棚のものが床に落ちていたりと、
ここでようやく部屋の荒れ具合に気づきました。

うちにはテレビが無く、ラジオやツイッター、Ustreamなどで
数々の恐ろしいニュースを知りました。

父とやっと電話が繋がり、会社の車にのせてもらって、明日の朝7時に
仙台へ向かうことにしたと連絡がはいりました。
車に乗れる人数がいっぱいなので私は連れて行けない、ごめん。
と父は言いました。
辛かったですが、危険を冒して行こうとしてくれる父と、
父の会社の人に、本当に感謝しました。

19時に父と上野駅で待ち合わせ、近所の商店街で取り急ぎ買い集めた物資と
手紙、現金を渡しました。
このときに用意した物は、ウェットティッシュ、絆創膏、ホッカイロ、
保存食、魚肉ソーセージ、ホワイトデーにもらったお菓子など。
思いつくまま、めちゃくちゃでした。

高速道路が、まだ封鎖されており、下道を通っていくとのこと。
福島の原発も騒がれ始めていて、とにかく心配でした。
危なければ無理せず戻ってくるように、としか言えませんでした。

■3月13日(日)
朝からニュースにはりつきながら、仙台へ向かう父とずっとメールの
やり取りをしたり、親戚に伝言をするために電話をかけまくったり
していました。

15時頃、とうとう母からメールが。
携帯の充電が切れてしまい、その後停電で、公衆電話も繋がらず
連絡の手だてがなくなってしまったけれど、町内に自家発電できる
お宅があり、そこで携帯を充電してもらったとのこと。

ここで初めて母の置かれている状況の詳細がわかりました。
一人で家にいて被災したこと、宮城県沖地震は比にならない規模で、
こんな恐ろしい思いは初めてだったこと、ライフラインがすべて
途絶えているが寒さが一番辛いことなど...

深夜に、父が無事に自宅に到着したと連絡がきて、一気に力が抜けました。

■3月14日(月)
早朝に、実家の電気が復旧したと連絡が入りました。
寒さがしのげるようになって、携帯が充電できるようになったと聞いて、
少し希望が見えたような気がしました。

東北へ行く高速バスなり、電車なり、自家用車以外の交通手段があれば
すぐにでも飛んでいきたいけれど・・・
それができない今は、目の前のやるべきことをやるしかない。
電車がちゃんと動いていたので会社に行きました。

チームの人は、自宅が会社から遠い人が多いので、私しかいませんでした。
4人分の仕事を回すのにひぃひぃいっていたら、プロデューサーさんが
実作業に回ってくれて、とても助かった。
つらかったけど、忙しさで気がまぎれてよかったと思います。
同僚から役員の方、お客様まで、いろんな人が気遣ってくれて、
本当にありがたくて、同時に心配をかけて申し訳ない思いでした。
この感謝の気持ちを少しでもお返しするためにも、
明るく気持ちよく仕事をしなくては、と思いました。

■3月15日(火)
この日、地震後初めて母と電話が繋がりました。
朗らかな声を聞いて、地震の後初めて涙が出ました。

================

両親とは毎日電話で話をしています。
遠くはなれている私には、そのくらいしかできませんが、
せめてメンタル面を支えてあげられたらなと思います。

新幹線と電車は壊滅状態ですが、
バスなどで東北へ行く手段もちらほら整い始めているようです。
でも、3月いっぱいは、東京へ戻ってくる手段がない。
少しほとぼりが冷めるまで待つしかないようです。

近所の貯水槽が被害を受けたため、水が使えるようになるには
1ヶ月はかかりそうなこと。
(でも普段からたいして清潔なほうじゃないし大丈夫)
ガスはもっと後になりそうなこと、食べ物も不足している
(でも備蓄があるから大丈夫、酒も飲んでる!)
とにかく両親で協力してなんとかやっているから大丈夫、
心配はいらない、と言ってくれているのに甘んじています。

長期戦になるけれど、生活から考え方まで何もかもが変わったこと、
仮に元の穏やかな日々が戻ってきたとしても、絶対に忘れてはいけない、
平和ボケに返ってはいけないよね、というようなことを、
毎日話しています。

本当にそう。今までにない非常事態で、人の本性とか、
必要とされる仕事・淘汰される仕事など、
いろんなことが浮き彫りになったと思います。

元の状態には戻らないかもしれないし、全く同じに戻ってはいけないと思う。


メディアで終日組まれていた地震の特集も、一週間たった今では
ニュースの一部分になり、こうやって風化していくものなんだなと思います。

でも、いま、この瞬間も救助を必死で待っている方々が大勢いらっしゃいます。

一刻も早く救われますように。
連絡の取れない方々の消息がわかりますように。
募金と節電くらいしかできない自分が情けない限りですが、
本当に、心から祈るばかりです。
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by ten-to-ten | 2011-03-21 04:15 | つれづれ


オモチロおかしく どたばたと暮らしています。


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